編集者・石川裕二の超個人的サイト

FEATURE —特集—

2.“はだかのうた”をください

sahanji_main

【目次】
原田茶飯事ロングインタビュー
1.DIYなシンガーソングライター(8/1公開)

2.“はだかのうた”をください(8/2公開)

3.ギターで白地図を塗りつぶしていく(8/5公開)

4.“友達”を照らしていく音楽(8/6公開)


4人が語る、原田茶飯事というミュージシャン
「絶対的な良さがあるから、ひねくれたポップを歌える」
——森達彦【サウンドプロデューサー】(8/1公開)

「ポップさの裏に潜んだ『仕掛け』」
——キイリョウタ【梅田シャングリ・ラ店長】(8/2公開)

「『晴れているんだけど、ちょっと寂しい』――そんな人にも目を向けてくれる音楽」
——古川陽介(dj sleeper)【りんご音楽祭・瓦レコード主催】(8/5公開)

「ライブでの歌声がCD以上に魅力的」
——DJ YOGURT【DJ】(8/6公開)

sahanji_interview02

――『光るジュレのなかから』の話に戻ると、すごい印象的なフレーズがあったんです。1曲目「はだかのうたをください」の「友達の役にたつような歌をさずけてください」という部分で、シンガーソングライターとしての自身の感情をストレートに出しているのを意外に感じました。

そこが、これまでライブをいっぱいしてきた中で、
大きく芯の通った部分なんです。
「友達」っていうのは、僕の音楽を聴いてくれてる人。
そういう人が生きていく上で……っていうと少し大げさなんですけど。

しょうもない話でいうと、「アイス何食べようかな。
パピコにしよかな、ピノにしよかな」って悩んでる時に、
僕の曲を聴いてどっちかを選べるような。

……あれ、なんか本当にしょうもない話になってしまった(笑)。
わかりやすく言えば「仕事に行きたくないけど、
原田茶飯事の曲を聴きながら行こう」みたいな。
その人の生活に寄り添える歌・作品にしたかったんです。


――「はだかのうた」というのが、すてきだなと思ったんです。媚(こ)びるでもなく、格好つけるんでもなく。

自分が歌ってて恥ずかしくない歌というか。
たとえばなんですけど、僕は「お前だけを一生愛してるぜ、
イエェ~ッ」みたいな歌は、歌えない。

それは、別に陳腐(ちんぷ)だなんだっていう話じゃなくて、
自分が実行できる自信がないので説得力に欠けるんですよね。
リアルじゃないというか。

そういう歌って、本当に結婚した人をずっと大事にしている……
「していく」じゃなくて、「している」人にしか歌えないと思っていて。
まあ、正直、聴いている人にバレなければ済む話なんですけど。
自分の中の問題ですよね。

でも、自分の中で違和感を感じていたら、
集中できひんというのがあって。
僕の曲の中には、人の恋愛や生活の悩み、
楽しいことを歌っているものもあるんですけど、
そこには多少なりとも自分の正直な気持ちが入った言葉を入れていて。
そうじゃないと、その曲に向き合えないところがあるんですよね。


――その感覚って、以前から持っていたものなのでしょうか。

いや、一人になってからですね。
バンドの時は、アレンジでいろんな部分をごまかしていた部分もありました。
言葉も響き重視だったり、気持ちいい語感の羅列だったり。
でも、「これじゃあ弾き語りになった時、
初めて原田茶飯事を聴く人には伝わらないんじゃないか」と思って。
ソロになってから、作風はずいぶん変わりました。


――偉そうな言い方になって恐縮なんですが、ライブもよりすてきになったように感じたんです。初めて茶飯事さんのライブを観たのが2011年で、ワンマンライブとしては約2年ぶりぐらいに先日お邪魔して。僕自身の感じ方が変わったのかもしれないんですけど、以前と比較にならないぐらい、茶飯事さんの曲が心に沁(し)み入ってきて。声がより力を増したというか。

わあ、それはうれしい! ありがとうございます。
単純にライブの本数が増えたっていうのは、
成長したポイントとして大きいと思うんですよ。

あとは、昔に比べて人のいいところを素直に参考にできるようになったというか。
以前は人から影響を受けたらあかんっていう思いが強くって、
シャットアウトしていた部分があって。
共演者のライブなんて、まず「良くない」っていう前提で
あら探しから始めてましたからね(笑)。

でも、30代になって、変に影響は受けへんやろっていう意識が出てきて。
純粋に人のライブも楽しめるようになったというか。
いいところは、自分にも取り入れられるようになったんです。


sahanji_navi_mae     sahanji_navi_tsugi


> 企画TOPに戻る


sahanji_profile
原田茶飯事(はらだ・さはんじ)
大阪府出身。関西を中心に活動していた「クリームチーズオブサン」が解散した翌2009年から、ソロ活動を開始。ガットギターを片手に年間150本以上のライブを行い、全国を渡り歩いている。8月1日に最新アルバム『光るジュレのなかから』をリリースし、現在リリースツアー中。

http://haradasahanji.com


sahanji_jacket
『光るジュレのなかから』
2013年8月1日発売
¥2,200- TMT-0005
amazonで購入する

【収録曲】
1.はだかのうたをください
2.金色の人生
3.あしたも晴れるな
4.ひみつの茶飯事
5.ピクニック
6.冬がはじまると
7.青空でも曇り空でも
8.光るジュレの中から
9.すきだよ
10.夜更かししよう
11.フジヤマ(世界遺産記念BONUS TRACK)


>「特集記事」TOPに戻る

RANKING —人気の記事—

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

CATEGORY

RELATED

PAGE TOP