3.ギターで白地図を塗りつぶしていく

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【目次】
原田茶飯事ロングインタビュー
1.DIYなシンガーソングライター(8/1公開)

2.“はだかのうた”をください(8/2公開)

3.ギターで白地図を塗りつぶしていく(8/5公開)

4.“友達”を照らしていく音楽(8/6公開)


4人が語る、原田茶飯事というミュージシャン
「絶対的な良さがあるから、ひねくれたポップを歌える」
——森達彦【サウンドプロデューサー】(8/1公開)

「ポップさの裏に潜んだ『仕掛け』」
——キイリョウタ【梅田シャングリ・ラ店長】(8/2公開)

「『晴れているんだけど、ちょっと寂しい』――そんな人にも目を向けてくれる音楽」
——古川陽介(dj sleeper)【りんご音楽祭・瓦レコード主催】(8/5公開)

「ライブでの歌声がCD以上に魅力的」
——DJ YOGURT【DJ】(8/6公開)

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――ライブの本数が増えたという話がありましたが、現在、年間150本以上のライブを行なっています。失礼な話かもしれませんが、事務所にもレーベルにも所属していない、ある意味完全なるインディーズ活動をしている茶飯事さんが、音楽1本で生活をしていられるっていうのはすごいな、と感じていて。以前からライブの本数は多かったんでしょうか。

ソロではじめた最初の年は100本くらいやってたんですよ。
そこから少しずつ増えていって、去年は150数本だったかな。
すごい運が良かったんです、僕。

共演した人のマネージャーに気に入ってもらって、
その人がいろいろなところに紹介してくれたり、
ライブを観にきた人がお店の経営者で
「うちでもやって」と誘ってもらったり……。

そういうつながりが続いているんです。


――それはCDやライブの良さが認められているからこそのお話なんでしょうね。全国を巡る楽しさは、どういうところにありますか?

白地図を塗りつぶしていく感じが楽しいですね。
全国これだけの場所に行って歌いましたっていう
「事実」が「自信」になって、曲づくりやパフォーマンスに影響するというか。
だから今は、日本にある47都道府県に行くこと自体に意味があると思ってます。

今、30ちょいは行ってるのかな。
東北がほとんど行ってなくて、四国と九州が半分くらいですね。
もちろん、「行ってライブをした」っていうだけでは、
まったく満足してないですけど。

「この土地では、この店でやりたい」と思える場所が
見つかっていない場所もまだいっぱいあるんで、そういう居場所っていうのかな。
ちゃんと愛してくれて、自分も愛せる場所をもっと増やしていきたいです。
ライブさせてくれるところ、絶賛募集中です。

ここ、太字で書いといてください!


――(笑)。でも、それだけ多くのライブをしながら、1年に1枚のペースでアルバムを出し続けるのは大変そうですね。曲づくりは早いほうですか?

早いほうやと思います。
僕ね、ツアーで全国を回ってて、
その中のちょっとした出来事やったり、出会いやったり、
それこそ飲みの席で相談されたことなんかが曲になるんですよ。

こう、人が抱えている感情みたいなのを感じた瞬間に言葉が出てくるんです。
それを携帯電話の下書きフォルダに保存したのを元に、家でフレーズをつくり込んで。
ライブ中も、その詞の話のモデルになった人が
憑依(ひょうい)してくるような感じで、その人になりきって歌ったり。


――茶飯事さんがつくる詞には、不思議と情景が浮かんでくる印象があったんですが、今のお話を聞いて納得しました。詞をつくる上での共通テーマは、何かありますか?

一概には言えないところもあるんですけど、
ピエロみたいな「泣き笑い」を思わせるテーマが好きで。
そういう話を聞くと、曲になりやすいですね。

去年リリースしたアルバムの『ボーキサイトがとけるほど』に
「グルーピー」っていう曲があるんですけど、
この曲はあるミュージシャンの大ファンの
女性のエピソードを元につくったものなんです。
仮に、ファンの女性をAさん、ミュージシャンをBくんとしましょうか。

Aさんは、Bくんの音楽が好きで全国どこにでも行くぐらいのファンなんですよ。
もう、それこそお金と時間さえあれば、というぐらいの感じで。
ある時、BくんがTwitter(ツイッター)で
「愛用のピックが生産終了になった。どこにも売ってない」とつぶやいたのを見て、
Aさんはいろんなところに電話して、そのピックを何ダースかプレゼントしたんですね。
で、Bくんも「うれしい、ありがとう」とそのピックを使っていて。

でも、Aさんは複雑な気持ちなんですよ。
ピックって、ライブ中に客席に向かって投げたりするじゃないですか。

その姿をカッコイイと思う反面、
必死にピックを探してプレゼントした身からすれば、大事に使ってほしいと。
そういうことを書いてあるブログをたまたま見て……。


――切ないですね。

そう、すごい切ない。
だれも悪くないんですよね。

Bくんも、悪気があってピックを放ってるわけじゃなくて。
そういうところにある切なさが曲になって。
この曲は歌詞もメロディーも一気に湧き出てきて、5分でできたんです。
こういうのは、僕の中で一番スムーズな曲づくりのタイプですね。


次回は明日8月6日(火)公開です!


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sahanji_profile
原田茶飯事(はらだ・さはんじ)
大阪府出身。関西を中心に活動していた「クリームチーズオブサン」が解散した翌2009年から、ソロ活動を開始。ガットギターを片手に年間150本以上のライブを行い、全国を渡り歩いている。8月1日に最新アルバム『光るジュレのなかから』をリリースし、現在リリースツアー中。

http://haradasahanji.com


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『光るジュレのなかから』
2013年8月1日発売
¥2,200- TMT-0005
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【収録曲】
1.はだかのうたをください
2.金色の人生
3.あしたも晴れるな
4.ひみつの茶飯事
5.ピクニック
6.冬がはじまると
7.青空でも曇り空でも
8.光るジュレの中から
9.すきだよ
10.夜更かししよう
11.フジヤマ(世界遺産記念BONUS TRACK)


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