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FEATURE —特集—

清水あつし『愛しのサマンサ』
純粋それともストーカー?恋する成人男子のピュアすぎる一枚

editor_comment_shimizu
清水あつしさん、すてきです。
タワレコでも面置きで大きく展開されていますね。
僕はアコースティックライブでいいなぁと思いましたが、
バンドサウンドのCDを聴いてもっと好きになりました。

曲は、中学生の恋みたいに純粋で、
なんだか自分の初恋を思い出すようです。
ただ、清水さんは成人の男子ということもあって、
レーベルのオフィシャルの紹介文に
「純粋なのかそれともストーカーなのか」と書かれていますが……。笑

「百聞は一見に如かず」という言葉もありますし、
この記事で清水さんのことを知った人は
iTunesやAmazonでアルバムを
全曲試聴していただけるといいかなと思います。

東京黎明ノートでは、清水あつしさんが
Sundayカミデさん・杉瀬陽子さんと出演する
「タナシインドラフェス!」(5/17開催)と、
同時開催の「やおよろずのさんぽ市」の特集記事を
来月頭から更新していく予定ですので、お楽しみに。

会場は、西東京市の田無神社。
その頃の田無神社は新緑に包まれている頃だと思います。
ライブは無料(投げ銭かな?)ですので、
是非生の音に触れてみてください。

では、清水さんのインタビューをどうぞ!



3分の恋を一つの曲にした「愛しのサマンサ」
——ソロデビューアルバム『愛しのサマンサ』が間もなくリリースされますね(編注:取材は4月12日)。レーベル公式の紹介文が「純粋なのかそれともストーカーなのか」という、すごいものになっていますが……。

これね。“ストーカー”って文字出したらあかんやろって思ったんですけどね。


——失恋の歌で「君の家のまわりを グルグル歩いて」(本作収録の「You」)という歌詞がそれっぽいというか、なんというか……。でも、本当に純粋な恋心が描かれていますよね。全体的に明るく心地よいバンドサウンドで、春の陽気にピッタリだなと思いました。

ドカドカしてなくてね、聴きやすいと思います。今回、エレキギターを使ってないんですよ。バンド(編注:ジェイムスというバンドで2009年にデビュー)の時はエレキギターどーん鳴らして、マイクもオフ気味でオォォォォォって感じで歌ってたんですけど、今回はアコースティックギターでボーカルも「夜中録ったんかな?」ぐらい。ジェイムスとは逆というか、新しいところに行ってみたいなというのがあって。いままで自分が聴いてきた好きな音楽は大体アコースティックなんですよ。フォークとかカントリーとかが僕のルーツで。そういうのが、今回のアルバムで初めてできたって感じがしてますね。


——“いままで自分が聴いてきた好きな音楽”というのは、どういったミュージシャンでしょうか。

いっぱいいるんですけどね。サイモン&ガーファンクルとか、ボブ・ディランとか、ニール・ヤングとか。古き良きアメリカのフォークロックですね。あんな一枚を自分でつくれたらええな、って。それがアルバムづくりのきっかけです。で、実際やってみたら、いい感じになって。また、この感じで2枚目つくりたいですね。いまノってます。


——タイトル曲の「愛しのサマンサ」は、実際のエピソードを歌にしているとお伺いしました。

そうなんですよ。僕が地元の神戸のバーに飲みに行ったら、隣にイギリス人の女性が座りまして。最初は「外人や〜」って喋っとったんですけどね、向こうもいい感じに酔っぱらって、僕も酔っぱらって。それで、エリック・クラプトンの「ワンダフル・トゥナイト」って曲があるんですけど、それをデュエットしたんです。僕ギター持ってたんで。……そう、それで愛が生まれましたね。愛が生まれた日ですね。


——じゃあ、その後実際にお付き合いをして。

いや、してないですよ。喋ったのはほんの2・3分です。サマンサがイギリスに帰ってしまうって聞いたから、余計に燃えたんでしょうね。その一瞬に。


——たった3分のことが曲になるというのは、すごいですね……! 一つひとつの曲に、そういったエピソードがあるんでしょうか。

実話ばっかです。「完璧なんだ」は、一緒に暮らしていた彼女に向けてつくった曲で。


——わあ、すてきですね。

家賃を立て替えてもらって、それがすごい溜まってしまって、何十万って(彼女に)請求されたんですよ。それで、そんなお金なかったんで、代わりに曲をつくって。「そんなんいらんからお金ちょうだい」って真剣に言われましたけどね。その彼女との恋が終わった歌が「まっすぐ歩けない」という曲です。


——全然すてきなエピソードじゃなかったです……。今回のアルバムはタワーレコードで購入すると、特典CDが付いてくるんですよね。

はい、2曲入りです。一つは「愛しのサマンサ第2章」で、もう一曲は広島でのライブ音源で「ミッドナイト茶屋町バーニング」という曲です。これは大阪の居酒屋で出会った女の子をナンパして、電話番号を交換できたんですけど、それがすごいうれしくて飲み過ぎてしまって、べろんべろんになって帰り道に携帯電話を水たまりに落としてしまってデータが消えたっていうブルースです。ブルースなんです。


——清水さんは恋多き男性なんですね。

惚れやすいんでしょうね。今日(編注:東京の田無なおきちでのライブ)も来る時、3人くらいいましたよ。「うわぁ、この子が彼女やったらなぁ〜」みたいな。まだ余韻があります。


——気になっていたんですが、アルバムのジャケットに登場する女性はサマンサさんですか?

はい、それに近いものを描いてもらいました。サマンサは目が緑色なんですよ。このイラストは、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のキツネうどんさんが描いてくれて。


——そうだったんですね。トラベルといえば、レーベルの紹介文に「奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のPepe安田が送り出す」とも書いてありますが、安田さんは今回どのように携わったんでしょうか。

アレンジを結構お任せしました。僕が詞曲を持って行って、やっさん(安田さん)がスタジオで仕上げてくれるみたいな感じで、いろいろ相談に乗ってもらいました。僕ね、元々トラベルのギターもやってたんですよ。大昔に。で、僕の家が神戸でスタジオが大阪で、40kmの移動がしんどくなって辞めたんですけど、ほなドカンと行って(売れて)しまって……。トラベルがフジロックに出るって発表された時にやっさんから電話掛かってきて、「フジロック一緒に出ようや」っていう話かと思ったら、普通にただの報告でしたね(笑)。


——(笑)。冒頭で清水さんの音楽のルーツの話が出てきましたが、音楽をやろうと思ったのはいつ頃のことなんでしょうか。

始めたのは中学生の時ですね。兄貴がどっか出て行ってる間に、勝手に部屋に入って兄貴のギター触って。ピックの位置も元あったところにせな、兄貴が帰ってからしばかれるっていう(笑)。兄貴は長渕剛が好きで、姉ちゃんが松山千春が好きで、小さい頃から二人の曲が爆音で流れてくるような環境だったんで、ずっと音楽やりたいと思ってて。


——それで、高校時代に初めて組んだバンドが「ジェイムス」なんですよね。本格的なソロ活動をスタートしてから約1年ということですが、いかがですか?

バンドの時より、いい意味で力を抜いてできてます。なんていうか、家で歌ってる時のテンションと、バンド時代のライブハウスでドカドカやってた時のテンションのちょうど間(あいだ)を行けてて。ずっと同じテンションで気張ることなく、やっていけそうですね。お客さんを煽ることもないし、のんびり聴いて楽しんでもらえたらいいなと。




<プロフィール>
shimizuatsushi

純粋なのかそれともストーカーなのか、はたまたその両方なのか。出会って5秒で恋をし、それを1分で3分の曲にしてしまうアダルトチルドレン。南国出身と思いきや生粋の神戸っ子が紡ぎだすメロディーはアーバンというよりローカル。3回見るとその後はいろんな意味で目が離せなくなる清水あつしを奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のPepe安田が送り出す。愛と友情と感動のアルバム。

演奏はドラム=濱本大輔(赤犬.MaNHATTAN)、フルート=梅田麻実子(ARGYLE)、オルガン・ピアノ=岩井ロングセラー(BAGDAD CAFE THE trench town、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団、ワンダフルボーイズ)、MC=アチャコプリーズ(マッカーサーアコンチ)、トランペット=長山動丸(奇妙礼太郎トラベルスイング楽団)、アコーディオン=猪俣福人(空きっ腹に酒)で100点満点バックアップ!

ブルースやソウルなどに影響を受けたロック、笑いあり涙ありのライブが絶賛を受ける神戸のヤングソウルメン。学生時代の友人から結成したバンド、ジェイムスの唄/ギターとしても知られる清水あつし。かりゆし58とともに全国を行脚しファンをばっちりつかむも、ふんわりながらもガッチリ行動中。

奇妙礼太郎・Sundayカミデに共通する人懐っこい歌・サウンドが心地よい。ストレイトに気持ちイイ清水あつしの歌声は必聴!
(※P-VINEホームページから参照)

http://p-vine.jp/artists/shimizu-atsushi


<リリース>
『愛しのサマンサ』
2014年4月16日発売
¥2,500(税抜き)
※iTunes、Amazonで全曲試聴可能

samantha

<収録曲>
1. Intro
2. crazy love
3. まっすぐ歩けない
4. 愛しのサマンサ
5. You
6. Interlude
7. Hey You!!
8. 完璧なんだ
9. 吐血しそうなnight and Day
10. 愛の体験
11. Outro



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