FishBornChips

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靴ひもに通すシューアクセサリー。ひもに隠れている部分の下は……!


「ムダなモノを一生懸命つくっています。」――そんな一文をホームページに掲げているのは、ユニークなレザー小物を中心に展開している「FishBornChips(フィッシュボーンチップス)」。2012年の6月に立ち上がったブランドで、相川佳輝さん・祐果さんの夫婦で活動している。活動歴は短いながらもroomsSHOPやヴィレッジヴァンガードなどをはじめとする人気ショップで商品が取り扱われており、現在は有名ショップとのコラボレーションアイテムの企画が進行中。

また、一つひとつの商品が手づくりで生産数が限られていることもあり、オンラインショップでは商品を出品する度に即完売。“どこかで見たことのあるような物”があふれかえる中で確かなオリジナリティを放つ作品の数々に、熱い眼差しが向けられている。

ただ、意外なことに、相川夫妻は、ブランドを立ち上げるまではファッションとは異なる業界にいたという。佳輝さんが「『革って、どこで売ってるんだろうね』っていうところからスタートした(笑)」と言うほどで、独学でレザー小物の制作を始めた。というのも、FishBornChipsは12年の秋に開かれた展示会「デザインフェスタ」に向けて何かモノをつくってみようと、相川夫妻と友人の3人で立ち上げたのがきっかけで、決して“本業”ではなかったのだ。元々、佳輝さんはフリーランスで映像制作の仕事をしており、祐果さんはブランド立ち上げ前にも帽子のアレンジをしていたというが、あくまで趣味の範囲内だったという。

ファッション業界や服飾学校の出身でないのは意外なようにも思えるが、だからこそ、オリジナリティあふれる小物が生まれているのだろう。また、主にデザインと制作をしているのは佳輝さんだというが、二人の話を聞いていると、祐果さんが作品にアイデアをプラスしており、息の合った夫婦による化学反応が作品に反映されていることがわかる。

「手話のキーホルダーは、最初は指でポーズをつくるのがおもしろいなと思って制作していたんです。そうしたら、妻に『それ、手話みたいだね』と言われて」と、FishBornChipsの人気アイテムの一つ「SHUWASHUWA」誕生のきっかけを振り返る。

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「SHUWASHUWA」(=左)とレザーでつくった落ち葉のブローチ(=右)


「あ」から「ん」までの46音がそろう「SHUWASHUWA」をはじめ、すべての作品を手作業でつくっている同ブランド。ハンドメイドにこだわる理由について、二人は次のように話す。

「大学時代に教わっていた教授が、有名なゴルフクラブメーカーの社長で。その人は、試作段階では樹脂を磨いたり、試し打ちをして角度の調整をしたりっていうのを全部自分でやるんです。それでOKだと思えるものができたら、量産に回すっていう。どれだけ大きくなっても、自分の手でやることは絶対に大切なんだなって。

実際、自分たちで作品をつくっていても実感することがあるんです。たとえば、デザインをカーボン紙でレザーにトレースして、他の人に切ってもらうとしますよね。同じ作業をしていても、自分がつくったのと全然違うんですよ。微妙に“R(編注:曲線)”が変わっちゃう」と佳輝さん。

祐果さんは「最近は、すべての作業工程を自分たちでやっているわけではないんですけど、手作業の部分は絶対になくしたくないよね、って話していて。漠然としたことなんですけど、やっぱり暖かみがあると思うんです」と話す。

冒頭で紹介したホームページの一文には、続きがある。忙しない現在の日本でFishBornChipsの作品が徐々に広まっているのは、その文章の中にあるように思う。

「ムダにデカかったり、機能なんてなかったり、合理的でもないし、使い勝手が良いわけでもありません。しかし、そんなムダな部分が、生活を、気持ちを豊かにしてくれるんじゃないかと思っています。皆さんの日常をジャマしたい。そんな気持ちでムダなモノを一生懸命つくっています」


ブランドのアイテム紹介はこちら


<プロフィール>
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2012年にブランド立ち上げ。デザイナーは相川佳輝さん・祐果さん夫妻。ユニークなデザインのレザー小物や帽子などを発表している。オンラインショップのほかにも、roomsSHOPやヴィレッジヴァンガードなどの実店舗で商品が取り扱われている。イベント出店やオンラインショップ、取り扱い店舗などの情報はオフィシャルホームページで確認を。

http://www.fishbornchips.com