第6夜 見えなくて見えるお話


絵を描いていると、線が細かいのと近眼なのとで
どんどん紙に近付いていってしまいます。

線画を描く時によくめり込みそうになっている貳來です。


裸眼では視界のほとんどがぼやけているので見間違いが多く、
落ち葉が得体の知れない虫に見えたりして要らぬ恐怖をよく味わい…

目が良かったらな…と何度も思ったものです。



勿論目が良いに越した事はないのですが、
個人的には悪い事ばかりではありませんでした。

はっきり見えない分様々なイメージが混ざって、
「実際には存在しない何か」がふと見えてくるのです。

視力が落ち始めた頃からそんな想像ばかりしていた所為か、
気付けばすっかり癖の様になっていました。



ある日ぼんやり落書きをしていた時のこと。

描きかけの絵に色々なものが混ざり始め、
線の先から次の形が生えていくのが浮かび…

「これは捕まえなければ」
と追いかけ出したのが、現在の絵の始まりでした。



目が悪いのも中々楽しいものです。



とは言ってもやはり不便…



皆様、目は大切に。
それではまた来週。


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