埼玉県ゆるゆる全市郡ひとり旅7 ー新座市ー

2010年5月第4週
ー新座市ー(7箇所目)

最近、仕事が立て込んでいて、この企画に時間をさけないでいる。
なので、今回は、以前から埼玉の旅で行こうと
思っていた場所を仕事の取材先に設定し、
その足で旅をすることにした。

ちょっと反則のような気もするが、
たまにはハミ出すくらいでいいと思う。
私の下着からも、タマがよくハミ出ている。

今回の旅の1番の目的は、
取材先である「だちょう牧場 並木屋」へ行くこと。
ダチョウを扱っている観光牧場で、
ホームページを見ると「東京に一番近いダチョウ牧場」と書いてある。
というのも、新座市は東京都の練馬区に隣接しているのだ。

ダチョウ牧場は、東武東上線の「朝霞台」駅から
出ているバスで20分ほどのところにある。
午後1時からアポを取っているので、1時間ほどで取材を終えて、
夕方すぎまで市内をぶらぶらしようという計画だ。

午後6時からは、代々木まで髪を切りに行く予定がある。
「旅」というからには時間の制限を設けたくないが、
今までの経験上、埼玉の旅の所要時間は3時間程度。
「朝霞台」駅からカウントすれば5時間以上
滞在できることになるので、十分だろう。


ダチョウ牧場の最寄りのバス停「池田2丁目」を降りると、
交通量の激しい国道と高速道路の外観が広がる。
周りには農家があるらしく、畑もある。
ニンジン畑だろうか。

新座市はニンジンを特産品としてPRしていて、
県内で開かれる「B級グルメ大会」では、
「ニンジンうどん」というメニューを出品しているのだ。
ちなみに、私はニンジンが嫌いなので、今回の旅で食べる予定はない。
牧場では、ダチョウの肉が入った「ダチョウカレー」
というものがあるので、それを食べるのだ。

高速道路の外観に沿って5分ほど歩いていると、
「だちょう牧場 並木屋 →」という手書きの看板があり、
それに従って進んでいくと間もなく到着した。




3匹ほどのダチョウが、敷地内に設けられた
柵(さく)の中をゆうゆうと走り回っている。
柵越しにエサをあげることもできるらしく、
大学生風のカップルがキャッキャッと笑っていた。

ダチョウがいるスペースを進み、
食堂兼お土産売り場でオーナーの並木さんに挨拶をする。
俳優の田口浩正さんに似た、優しそうな雰囲気の人だ。
まずは、本業である掲載誌の取材内容について改めて説明する。




その後、並木さんが同牧場をオープンした経緯などをはじめ、
いろいろと興味深いお話を聞くことができた。

「ダチョウは、もともと恐竜だったと思っているんですよ」
という並木さんの持論が、その内の一つ。

なんでも、「鳥にしては大きすぎる(体高2m以上、体重80~100kg)」
「翼の裏に翼竜のような爪(つめ)がある」「時速60km以上で走る」など、
恐竜との共通点が複数あるのだという。

それに加えて、ダチョウは「左右の翼を別々に動かせる」
「まぶたの他に、もう一枚目を保護するためのしゅん膜がある」
「草食」など、ほかの鳥類と異なる点も多いんだとか。

ほかにも、「ダチョウの寿命は約50年」「匂いが少ないし、
鳴かない(鳴くのと同じ行為はするけど、声帯がない)から、
住宅の多い都市近郊で飼育するのに適している」など、
本当にたくさんの情報を聞くことができた。

予定より時間が長くなってしまったけど、取材はバッチリ。
あとはダチョウの写真を撮って、ダチョウカレーを食べるだけ。
いや、エサもあげてみたいなあ、などと思っていたら、並木さんの話が止まらない。

「最近映画を見まして~」
「牧場のブログのランキングが~」
「ガンダムの話をすると、朝になっちゃいますよ」

話がどんどん、あらぬ方向に進んでいく。
時計にちらりと目をやると、午後2時をまわったところ。
ダチョウカレーを昼食にしようと思っていたので、
お腹もすいてきた。

「そろそろ撮影を……」と言い出せずにいると、
「いやー、ついついムダ話しちゃうんですよね」と並木さん。

「チャンス!! 」と思ったのもつかの間、
「この前取材を受けた時もムダ話ばかり(以下略)」と、
また別のエピソードをご紹介いただく。

結局、外に出てダチョウの写真を撮り始めたのは午後2時30分だった。

近くで見ると、ダチョウの大きな眼はキラキラとしていて宝石のよう。
その長いまつ毛は、紀元前の王族などが「付けまつ毛」として使っていたという。




撮影もおわり、お待ちかねのダチョウカレーを注文。
温めてもらっている間にお土産を物色する。
ダチョウの卵を使ったサブレやケーキ、
ダチョウの羽を染めた飾り羽などがあった。
個人的にはダチョウの卵の殻が気になった。欲しい。




一通り見終わると、見習いさんらしき
20代前半の男性に話しかけられた。

「なんの雑誌(の取材)ですか?」

文字に起こすと何ともないが、
お笑い芸人のつぶやきシローさん並になまっている。
彼はその後、ダチョウの特集番組が流れるテレビ(ビデオを再生?)を見て
「すげー」「かわいいー」とダチョウに夢中な様子だった。

私が勝手に想像するに、ダチョウを育てたくて
東北からはるばる埼玉へやって来たのだろう、と思う。
素朴で純粋そうで、応援したくなるような青年だった。

ダチョウカレーを食べ、その後も並木さんと話をして、気づけば4時すぎ。
美容院の時間に間に合わなくなってしまうので、急いでバス乗り場へと向かった。
ダチョウの肉は、牛肉の大和煮(缶詰)の食感に近かった。




というわけで、新座市の旅で足を運んだのは「だちょう牧場」のみ。
境内の豊かな雑木林が国の天然記念物に指定されている
「平林寺」などに行く予定だったが、冷静に考えてみれば、
平林寺は昨年の夏にプライベートで行ったばかり。
無理して行く必要はない。

旅なんだから、行き当たりばったりでいいのだ。





> 「第6回 加須市」を読む
> 「第8回 春日部市」を読む
> 企画TOPに戻る